「生前整理ノート」を弁護士が作成してみたら~弁護士リアルレポート

2025年5月11日


家族にこんな質問をされました。
「もし急にあなたに何かあったら、このスマホどうやって解除するの?」

なぜそんなことを聞く!?と驚きつつも、確かに、スマホやパソコンにしか入っていない情報、たくさんありますよね。

ネット銀行や証券会社のアプリ、サブスクアプリなど、いろんな財産や支払いの絡むものが詰まっていますね。

事前に伝えないまま、もしものことがあったら、家族がその存在に気づかないままになる——これは、困りますよね。

ただ、スマホやパソコン、普段から自由に見てもいいよともいえませんね(笑)。

そんなとき、偶然、目についたのが、とある弁護士が監修した『生前整理ノート』でした。
普段の相談でも、「元気なうちに備えるのがいいですよ」「ライフプランノートとか、生前整理ノートの作成から始めてみては?」と言いながら、自分自身はまだ若いから等と理由をつけて、作成していませんでした。

「まずは自分で書いてみよう!」
そう思って、気負わず、現時点で必要かなと思えるところだけ作成してみただけでも、たくさんの“気づき”がありました。


📱 アプリやデジタル資産は“見える化”が大切!

ネット銀行や投資アプリ、サブスク契約は、家族でも把握していないことが多いもの。
ログイン方法やサービス名だけでも書き残しておくだけで、もしもの時の混乱は防げます。

💳 日常の支払い、どの口座・どのカード?

公共料金やプロバイダの支払い方法はバラバラになりがち。
実際、私たち弁護士が担当する相続のケースで、「誰も気づかず、必要のない契約が何か月も続いていて、利用料が引き落とされていた」ということが珍しくありません。

支払先と支払方法(口座引き落としなのかカード払いなのか等)の一覧は、ぜひまとめておきたいですね。

🏥 保険情報は“もしも”のときにこそ必要に!

医療保険は、意識があるうちに家族に伝えられればいいですが、それができない場合に、手続が遅れてしまって医療費の支払いに困った、ということも起きかねません。

死亡保険や貯蓄型保険も含めて、どの保険会社に加入しているかを一覧にしておくと、せっかくの保険なのに、知らないまま請求できなかったということもなくなりますね。

📦 貸金庫・トランクルームも忘れずに!

これは意外に見落としがちですね。

知らずにそのままにしていると、利用料だけが引き落とされ続けてしまいます。

契約先や場所は必ず共有しておきたいですね。

❤️ 終末期医療・延命治療、あなたの希望は?

「延命治療を望むかどうか」「病名、余命の告知を受けるか」——。
これらは、ご本人の意識がない場合や、病気が重い場合、周りの方が非常に悩まれます。

私は成年後見人として、何度も周りの方が悩まれる場面を見てきました。

だからこそ、明確な希望がある場合は、書き残して、周囲の方が悩まれないようにしてあげたいですね。


ノートを作ることで、これまで考えてこなかったことに立ち止まって考えることができ、これからの人生について考えるきっかけにもなりました。

こうした整理は一度きりではなく、ライフスタイルや考え方の変化、ご年齢に合わせて、更新(バージョンアップ)して深めていけると良いですね。

「まだ遺言や任意後見契約は早いよね…」

現役世代からすると、こういったことは遠い未来のことのように思えますよね。
そのため、いきなり遺言や任意後見というよりは、日本弁護士連合会が推奨する「ホームロイヤー契約」をご利用いただくのも、一つの方法です。

この「ホームロイヤー契約」の「ホームロイヤー」は、「かかりつけ弁護士」という意味で、弁護士が、細く長く、あなたの人生に寄り添い、適切なタイミングで最善のアドバイスをいたします。

※こちらの日弁連のリーフレットもご参考にしてください。

もし、「どこから手をつけていいかわからない…」そんなときは、どうぞお気軽にご相談ください。

『はじめの一歩』のお手伝いをさせていただきます。                  以上